前回は、PL・BS・CFの違いをざっくり整理しました。
その中でPL(Profit and Loss Statement/損益計算書)は、
「一定期間の会社の成績を見るもの」
と整理しました。
ここまでは分かったのですが、実際にPLを見ると「利益」がいくつも出てきます。
売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益……。
何度か勉強したはずなのに、しばらくすると、
「営業利益と経常利益って何が違うんだっけ?」
となります(覚えがわるい。。。泣)
そこで今回は、売上から最終的な利益が残るまでを、できるだけシンプルに整理しておきます!
まずはPLの全体像
PLは、売上からさまざまな費用や損益を順番に引いて、最終的にどれだけ利益が残ったのかを見るものです。
文章だけだと分かりにくいので、まずは全体像を1枚にしました。
図① PLは利益が5段階に絞られていく

※金額は説明用の例です。
こうして並べてみると、
売上高 → 売上総利益 → 営業利益 → 経常利益 → 税引前当期純利益 → 当期純利益
と、上から順番に見ていけばシンプルです。
それぞれ何を表しているのか、もう少しだけ整理します。
① 売上高 ― まず「どれだけ売ったか」
PLの一番上にあるのが売上高です。
商品やサービスを販売して得た金額なので、まずは会社の事業規模を見る数字と考えます。
ただし、
売上が大きい = たくさん儲かっている
とは限りません。
例えば1,000億円売っていても、それに950億円の費用がかかっていれば、利益は50億円しか残りません。
なので、売上だけではなく、そこからどれくらい利益が残ったのかも一緒に見ていく必要があります。
② 売上総利益 ― 商品・サービスそのものの儲け
売上高から売上原価を引いたものが、売上総利益です。
いわゆる**「粗利(あらり)」**です。
売上高 − 売上原価 = 売上総利益(粗利)
ざっくり、
「商品・サービスそのものでは、どれくらい儲かった?」
を見る数字と理解しておきます。
③ 営業利益 ― 本業でどれだけ稼いだか
売上総利益から、人件費や広告宣伝費、家賃などの**販売費及び一般管理費(販管費)**を引いたものが営業利益です。
売上総利益 − 販管費 = 営業利益
ここまで来ると、商品そのものの原価だけでなく、商品を売ったり会社を運営したりするための費用も引かれています。
なので営業利益は、
「本業でどれくらい稼げた?」
を見る数字と考えると分かりやすそうです。
決算を見るときには、特に気になる数字の一つです。
④ 経常利益 ― 本業以外の「普段の損益」も入れる
営業利益に営業外収益・営業外費用を足し引きすると、経常利益になります。
ここが少し分かりにくいところです。
例えば、
- 預金や貸付金などから受け取った利息
- 借入金に対して支払った利息
など。
本業そのものの売上や費用ではないけれど、会社を経営していると普段から発生するものが入ってきます。
かなりざっくりですが、
営業利益 = 本業で稼いだ利益
経常利益 = 本業 + 普段発生する本業以外の損益
くらいで覚えておくことにします。
⑤ 税引前当期純利益 ― 「その年だけ」の損益も入れる
経常利益に特別利益・特別損失を足し引きすると、税引前当期純利益になります。
営業外損益との違いが分かりにくかったのですが、ここは、
営業外損益 → 普段の企業活動でも発生するもの
特別損益 → 毎年発生するとは限らない一時的なもの
と分けると、かなり分かりやすくなりました。
例えば、保有していた土地や建物を売って大きな利益・損失が出た場合などです。
つまり税引前当期純利益では、本業や普段の損益に加えて、その年にあった特別な出来事まで含めた利益を見ていることになります。
⑥ 当期純利益 ― 最後に残った利益
最後に税金などを差し引いて残るのが当期純利益です。
ここまで来て、ようやく会社に最終的に残った利益になります。
ただ、当期純利益だけを見ると、その会社が本業で稼いだのか、それとも一時的な利益が大きかったのかが分かりません。
例えば、
営業利益はほとんど増えていないのに、保有資産を売ったことで当期純利益が大きく増えた
ということもあり得ます。
だからPLは、一番下の当期純利益だけではなく、上から順番に見ていくと利益が増減した理由が分かりやすい、ということなのだと思います。
実際にPLを見るなら、まずどこを見る?
ここまでで、それぞれの利益の違いは何となく分かりました。
ただ、実際の決算書にはもっとたくさんの数字が並んでいます。
全部を一度に理解しようとすると、また分からなくなりそうです。
なので、まずはこの3つから見てみることにします。
① 売上高は伸びている?
② 営業利益は伸びている?
③ 売上高と比べて、営業利益はどう伸びている?
図② まずはこの3つを見てみる

①で事業そのものが伸びているのかを見て、
②で本業の利益も増えているのかを見て、
③で売上と利益の伸び方に違いがあるのかを見てみる。
まずはこのくらいから始めればよさそうです。
例えば、売上が10%増えて営業利益が30%増えていたら、
「なんで利益の方がこんなに増えたんだろう?」
と気になります。
逆に、売上が増えているのに営業利益が減っていたら、
「何か費用が増えたのかな?」
と気になります。
そこから決算資料を読んで理由を探していく、という見方をしてみようと思います。
KEY POINT
✓ PLは一定期間の会社の「成績」
✓ 売上から費用や損益を順番に引いて、利益が段階的に残っていく
✓ 営業利益は「本業」、経常利益は「普段の本業以外」、特別損益は「一時的なもの」と考えると分かりやすい
✓ まずは「売上高」「営業利益」「両者の伸び方」から見てみる
ここまでで、PLの全体像は何となく分かりました。
ただ、ここで一つ疑問が残ります。
「営業利益100億円」と言われても、それって多いのか少ないのか?
会社の規模が違えば、単純に利益の金額だけでは比べにくそうです。
そこで次は、売上に対してどれくらい営業利益を残せているのかを見る、
「営業利益率」
について整理してみます。


コメント